獣医師の説明義務について③
今回は、療養方法の指導としての説明義務についてご説明します。
獣医師は、オーナーに対して、療養方法の指導として、飼い主が守るべき事項や、ペットの適切な飼育方法(服薬や食事など)の説明・指導、今後予想される症状の経過と対処法を説明する義務を負います。
特に、治療を終えてペットを帰宅させる際には、注意が必要です。自宅でペットに何らかの事態が発生したときに、オーナーが自身で判断して、病院に行くかどうかを判断できるように、あらかじめ適切な指導や説明を実施しておく必要があります。ですので、ただ漠然と「何かあったら来てください」と説明するだけでは不十分です。例えば、副作用のおそれのある薬品を投与したときに、帰宅後にオーナーがペットの様子を見て、副作用であることに気づかなければ、手遅れの事態となってしまうかもしれません。副作用の説明については、受診が必要かどうかをオーナーが判断できるよう、留意点を具体的に説明する必要があります。
弁護士法人浜松町アウルス法律事務所
弁護士 幡野 真弥