動物看護師について⑬~診療の補助の具体的中身(1)~
弁護士 小島梓
「動物看護師について④~診療の補助~」のコラムにてご紹介した,愛玩動物看護師の診療の補助業務に関して,具体的に想定されている行為について,詳細が明らかになってきましたので,改めてご紹介していきたいと思います。
まずは現在の検討状況等についてです。
愛玩動物看護師の主な業務のうち,愛玩動物看護師法の制定により新たに行うことができるようになったのが「獣医師の指示の下に行われる愛玩動物の診療の補助」(法第2条2項)であるということについては従前ご説明した通りです。
そして,愛玩動物看護師が行いうるこの「診療の補助」は、「愛玩動物に対する診療の一環として行われる衛生上の危害を生ずるおそれが少ないと認められる行為であって、獣医師の指示の下に行われるものをいう」と規定されています(第2条2項括弧書き)。
しかし,非常に抽象的な定義ですので,現場で都度判断していくには限界があるところかと思います。
そのため,基本的には,農水省の示す具体的内容を把握し,現場スタッフと共有いただき,各クリニックごとの愛玩動物看護師の業務範囲を確定していっていただくのが安全かつ,現実的であるということになります。
現在の検討状況ですが,愛玩動物看護師カリキュラム検討会の中で,愛玩動物看護師を目指す方々が通うことになる学校で何を教えるべきかという話し合いが進んでおり,その中で,実際に将来医療現場で愛玩動物看護師に行ってもらうことになる「診療の補助」業務に何を含めるかという話し合いもなされているところです。
そこで,次回からこのカリキュラム検討会の中で,明らかになっている「診療の補助」業務,より具体的には「衛生上の危害を生ずる恐れが少ないと認められる行為」として,今後,愛玩動物看護師が担っていくことが想定されている業務をご紹介していきたいと思います。