動物愛護法⑬~マイクロチップ装着(2)~
弁護士 小島梓
犬猫等の販売業者に関しては,原則として取得した日から30日以内に,犬または猫に対してマイクロチップを装着しなくてはいけないということで,装着が義務化され(動物愛護法39条の2第1項),一般のペットオーナーについては努力義務化されました(同条2項)。
(1)装着について
先生方はご承知のことと存じますが,マイクロチップの装着は通常,注射より少し太い専用のインジェクター(チップ注入器)を使って体内に注入する方法で埋め込みます。
そのため,診療業務であたり,従来は獣医師以外は行ってはならい行為でした(獣医師法17条)
(2)愛玩動物看護師
令和4年5月1日に施行される(効力発生)ことが決まった愛玩動物看護師法により誕生する愛玩動物看護師は,マイクロチップの装着が可能となります。
愛玩動物看護師は,「獣医師の指示の下に行われる愛玩動物の診療の補助」行為(愛玩動物看護師法第2条2項))を行うことができるのですが,マイクロチップの装着も当該診療の補助に当たると考えられているためです。(「動物看護師について⑭~診療の補助の具体的中身(2)~」もご参照ください)
犬猫等販売業者については装着が義務化され,一般のペットオーナーについても努力義務とされますので,今後,マイクロチップ装着がスタンダードになっていくことも予想されます。
そうなりますと,装着業務の需要も,今後,益々高まることが予想されます。
すでに,マイクロチップ装着依頼が頻繁にあるという動物病院などでは,いずれは愛玩動物看護師の採用も検討いただくと,業務効率化が図れる可能性もあろうかと思います。
愛玩動物看護師法の動きも随時コラムでお知らせしていきますので,先生方も動向には注目いただければと思います。