根拠不明なまま高額な金銭請求がなされた事例
事案の概要
動物病院にて処置を行った後、ペットに麻痺症状が出てしまいました。オーナーより、動物病院にて行った処置が原因で、麻痺症状が出たという主張がなされ、動物病院に対して、後医の治療費や慰謝料等含め3桁に上る高額な金銭請求がなされました。
請求された費用が高額だったこともあり、動物病院としては、本人対応は難しいと考え、交渉から弁護士に依頼することにしました。
結果
処置を担当した獣医師に話を聞いたところ、動物病院において行った処置がペットの麻痺症状と因果関係があるものとは考え難い状況でした。さらに、オーナーの主張は抽象的で、動物病院において行ったどのような処置が、いかなる理由でペットの麻痺症状を引き起こしたのか不明でした。
そのため、当事務所にて、担当獣医師より聴取した内容から可能な範囲で動物病院の処置内容や、ペットの麻痺症状との因果関係はないと思われる旨など、動物病院としての考えを伝えつつ、オーナーに対して主張につきより具体的に行ってほしい旨を書面で伝えました。
その結果、オーナーからは返事がなくなり、沈静化しました。
オーナーは獣医療の専門家ではないため、抽象的な主張や思い込みによる間違った主張がなされることも少なくありません。このような場合、獣医師が「こういうことが言いたいのだろう。」という想定で回答しますと、求められていた回答と違っていたり、そこから新たな争点が出てきてしまったりして紛争が長引く原因になることがあります。
オーナーより説明を求められたり、何かを請求されたりした場合には、まずは確実に解ることを冷静に見極めて回答し、不明点はオーナーに確認をするという対応が非常に重要です。本件のようにそれによってオーナーも冷静になったり、請求を諦めるというケースもあります。慌てて回答せずに、一度、ご相談いただければと思います。
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