申立てられた手続きが取り下げられて解決した事例
事案の概要
動物病院が診察をしたペットのオーナーからある団体に対して、金銭請求を伴うあっせん手続き申立がなされ、その通知が相手方である動物病院に届きました。
従前よりオーナーからクレームは出ていたものの、動物病院としてオーナーが指摘するような過失や不適切な対応はなかったと考えていたため、その旨オーナーに説明をしていたのですが、オーナーが動物病院側の説明に納得せず、あっせん手続きの申立てに至ったという経緯がありました。
当該動物病院の院長は当然、あっせん手続きの経験もなく、どう対応すべきかわからなかったため、当事務所に相談にこられました。
結論
当事務所が代理人として、オーナーが作成した申立書に対する反論の書面を作成し、期日前に提出したところ、内容を確認したオーナーが手続きを取り下げて、終了となりました。
反論書面では、オーナー側の主張内容と動物病院側の事実認識は、異なる部分が多かったので、まずは動物病院側の認識を丁寧に記載した上で、法的な主張を行いつつ、動物病院側に損害賠償義務はない旨主張をしました。
当該主張内容を確認したオーナーは、簡単にお金を払ってもらえる様子はないと感じ、請求を諦めて申立てを取り下げるに至ったものと予想されます。
取り下げ手続きが取られた後は、オーナーから動物病院に対して接触もなく、解決にいたりました。
最近、動物病院に対するクレームや損害賠償請求に関しては、裁判所の民事調停手続きをはじめとすして、訴訟手続き以外の話し合いを前提とする手続きが利用されることが増えています。
しかし、こういった手続きでまとまらなければ、訴訟手続きとなる可能性もありますし、やはり何らかの手続きがかかった際は、法的な主張を意識して対応するのがベストです。
本件のように早い段階で法的主張を行っておくことで、早期解決につながることも多いです。
手続きが申し立てられた場合、オーナー本人ではなく、裁判所など、手続きを行う機関から書類が届きます。その場合は、一度、専門家に相談の上、対応方法を決定することをお勧めします。
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