動物看護師について㉑~現任者ルート(1)~
弁護士 小島梓
今回は、特例措置に基づく現任者ルートについてご紹介します。
まず、あらためて、当該ルートを利用しうる要件を整理します。当該ルートにより愛玩動物看護師の免許を得るためには大きく以下4つの要件を満たす必要があります。
(1)実務経験を5年以上業として行った者等であること
(2)令和9年4月末日までに講習会を終了していること
(3)令和9年4月末日までに予備試験に合格していること
(4)国家試験を受験し、合格すること
順に、簡単にご説明します。
今回は、(1)の要件についてです。
(1)実務経験を5年以上業として行った者等であること
正確には愛玩動物看護師法附則第3条2項に「5年以上業として行った者」及び「主務大臣がこれと同等以上の経験を有すると認める者」と定められています。
それぞれについて、どういった内容なのか具体的に見ていきたいと思います。
なお、この点について、「令和3年3月30日 報告書」の44頁、45頁にて整理されていますので、ご一読ください。
ア 5年以上業として行った者
(ア)期間について(「5年以上」の換算方法)
契約形態:原則として、雇用契約に基づいて業務に従事した期間
働き方:常態として週1日以上の勤務であった期間
カウント方法:連続した5年である必要はなく、通算5年以上であればよい。
(イ)「業」の内容
①獣医療法(平成4年法律第46号)第3条に規定する飼育動物診療施設(法第2条第1項に規定する愛玩動物を対象としているものに限る。)において、法第2条第2項に規定する業務(診療の補助を除く。)を行う者
(例)動物病院にて動物看護にかかる業務(愛玩動物の世話その他の看護、愛玩動物の愛護・適正な飼養に係る助言その他の支援等)に従事していた者
②動物の愛護及び管理に関する法律(昭和48年法律第105号)第10条に規定する第1種動物取扱業の動物取扱責任者(法第2条第1項に規定する愛玩動物を対象としているものに限る。)として、法第2条第2項に規定する業務(診療の補助を除く。)を行う者
(例)ペットショップやペットホテルの動物取扱責任者として、動物看護にかかる業務に従事していた者
③①及び②以外の者で動物看護に係る知識及び技能(法第2条第1項に規定する愛玩動物を対象としているものに限る。)を有し、一般職員とは区別されて動物看護に係る業務に従事する者
(例)海外の飼育動物診療施設や実験動物飼養施設にて、動物看護にかかる業務に従事していた者
以上が、「5年以上業として行った者」の詳細となります。
次回は、「主務大臣がこれと同等以上の経験を有すると認める者」の詳細をご紹介します。