繰り返しの説明を求められた事例
事案の概要
嘔吐を繰り返しているとの主訴で、他院では心疾患や腎臓の疾患があると診断されている犬でした。
かなり悪い病状であり、初診であったことから、まずは必要な検査を求めたものの、オーナーからは十分な協力を得られず、最低限の治療しかできない中で、さらに通院での治療を求められ、最終的にはご自宅で亡くなりました。
その後、診療記録の開示要請がなされるとともに、治療内容や検査結果が悪かった理由、死因などの説明を求められ、処置が原因で亡くなったのではないか、等の多くの質問がなされました。獣医師からはできる限りの説明をしたものの、ご納得いただけず対応に困り、弁護士にご依頼されました。
結果
弁護士が介入後も、既に説明していることも含めて、改めて書面にて説明を行いました。
また、追加の質問事項についても、可能な限り書面にて説明を行いましたが、検査をしなければ病状を把握することができず、効果的な治療ができないことや、ある治療が特定の疾患に効果はあるものの、一方で他の疾患を悪化させてしまう可能性があり、全体を考えて優先順位をつけて治療をしていかなければならないことを十分ご理解いただけず、やり取りは平行線となりました。ただ、最終的にはオーナー様からのご質問はなくなり、沈静化しました。
このような場合でも、できる限り理解が得られるよう説明をするのが望ましいですが、やはり限界があり、その場合は、どこかでやり取りを打ち切らざるを得ません。
もっとも、そのタイミングはなかなか判断が難しいところですし、何より繰り返しの説明になる場合には、獣医師の先生のご負担は相当なものになってしまいます。
本件も、獣医師の先生自身で対応することが非常に大変な事例だったと思いますので、このようなケースでお困りの先生は一度ご相談ください。
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