未収金の督促状について
弁護士 長島功
動物病院の未収金を回収するために、オーナー様に対して催促をする場面はあろうかと思います。弁護士に依頼をして弁護士名で催促をすることもできますが、金額が少額の場合などは、費用の関係で、獣医師の先生ご自身でオーナー様に連絡をとり支払を催促されていることもあるのではないでしょうか。その場合の連絡手段として、書面による督促状がよく用いられますが、以下、督促状を送付する際に注意すべき点について、解説していこうと思います。
初回は、督促状の文面についてです。
督促状を一般の方が書く場合、相手にプレッシャーを与えようとするあまり、表現が必要以上に威圧的になっていたりすることがあります。ただ、そういった表現は、内容によっては犯罪行為になりかねませんし、経験上も、威圧的な表現をしたからといって、回収の可能性が高まるというものでもないように思います。むしろ、無意味な感情的対立を招き、余計なやり取りが増える可能性もあるため、有害ですらあります。
ですので、督促状はできるだけ端的に、オーナー様にこちらの要求が明確に伝わるような文章が望ましいです。そのため、
①いつのどの患畜のどのような診療に関する債権の督促か
②その金額はいくらか
③期限はいつか
④どのように支払えばよいか(振込であれば、口座情報)
⑤期限までに支払がない場合の対応(法的手続をとる等)
を必要に応じて盛り込み、分かりやすく伝える文面にすることを心掛けていただければと思います。
次回は、督促状の送付方法やタイミングについて、解説したいと思います。