未収金につき、懈怠条項付きの和解が成立した事例
事案の概要
動物病院での未収金で、比較的高額の治療費が不払いとなり、オーナー様と連絡がつかなくなったとして、ご相談がありました。弊所より内容証明郵便を送付し、それは受領されましたが、それでもお支払いがなかったことから、支払督促手続を執ることにしました(支払督促については、過去のコラムをご参照ください)。
結論
支払督促の申立てを行い、支払督促が発付され裁判所からオーナー様に通知が行ったところ、オーナー様より督促異議が出たため、通常の訴訟に移行しました(民事訴訟法395条)。
支払督促は、この督促異議が出ることなく手続が進めば、強制執行が可能となる債務名義を取得できるのですが、督促異議が出てしまいますと、通常の訴訟に手続が移ってしまいます。
ただ、オーナー様の異議の内容は、未収金の存在を争うというものではなく、一括で支払えないというものでした。
そのため、訴訟の第1回目の期日にて、オーナー様が支払えるという分割案にて和解を成立させました。
また、長期の分割となることから、懈怠条項や残額免除方式といったものを盛り込んだ内容での和解としました(懈怠条項などについては、別のコラムでご紹介しております。ご参考になさってください)。
督促異議が出て、訴訟に移行する場合、手続上は通常の裁判ですので、かなり時間がかかるのではないかとお考えになるかもしれません。ただ、動物病院における未収金の案件で、督促異議が出る場合、未収金の存在そのものが争われるケースはそれ程多くはなく、このケースのように単に一括で支払えないということで異議が出されることもよくあります。この場合は、初回の期日までに、裁判外でオーナー様と和解内容を事前に話し合い、初回の期日1回で解決できる場合もありますので、未収金でお悩みの動物病院様は是非一度ご相談ください。
その他の解決事例
- コンプライアンス違反が発覚した獣医師が合意退職した事例
- 申立てられた手続きが取り下げられて解決した事例
- 不合理な要求を断ることで解決に至った事例
- 防犯カメラ映像が解決につながった事例
- 書面により未収金を回収した事例
- 合意書を修正の上、再度取り交わした事例
- 財産開示申立てにより債権回収が実現した事例
- 広告料請求をブロックした事例
- 法的な説明を行うことで解決した事例
- 返金トラブルを解決した事例
- 給与の差押えにより未収金を回収した事例
- 鳥の治療に係る慰謝料請求を受けた事例
- 麻酔事故によるトラブルが解決に至った事例
- 未収金につき、懈怠条項付きの和解が成立した事例
- 解雇の有効性が問題になった事例
- 見落としがあったとして、検査費用の返還を求められた事例
- 訴訟上の和解をした裁判例
- 判決を得た裁判例⑨
- 少額債権につき裁判手続きの中で和解が成立した事例
- 待合室において動物同士の事故が起きた事例
- 獣医師による適切な対応により解決した事例
- 丁寧かつ適切な返答により解決した事例
- 処置のリスクを説明することで解決した事例
- 内容証明送付により未収金が回収できた事例
- 根拠不明なまま高額な金銭請求がなされた事例
- 繰り返しの説明を求められた事例
- 転院の判断が適切だったかが問題となった事例
- 犬の骨折の固定方法の選択に誤りがあったことを原因として、治療費の返還等を求められた事例
- オーナーに弁護士が就いて金銭請求がなされた事例
- 不当な要求に毅然と対応した事例
- オーナー様への対応に不手際があった事例
- 判決を得た裁判例⑧
- 明確な要求なくクレームが続いた事例
- 判決を得た裁判例⑦
- 判決を得た裁判例⑥
- 判決を得た裁判例⑤
- 判決を得た裁判例④
- 判決を得た裁判例③
- 判決を得た裁判例②
- 判決を得た裁判例①
- 金銭の要求はなく、質問が繰り返された事例
- 治療費の返還を求められた事例
- 資料要求等の適切な対応により解決した事例
- 診断結果で損害賠償請求された事例
- 著しい診療業務の妨害に関する事例
- 避妊手術中に患畜が死亡し、飼い主とトラブルになった事例